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平等と公平 - grunge house records

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平等と公平

 近年、建設現場などで女性の姿を見る機会が増えた。交通整理の仕事だけではなく、ユンボを運転したり、高所に上って作業したりと様々だ。夏場の暑い日など、じりじりと焼かれる肌や、吹き出す汗、女性は男性のように外で着替えるわけにもいかずなかなか大変だと思う。それでも現場の女性が増えている背景には「ドボジョ」という漫画の影響なんかがあるらしい。

 主人公は男ばかりの家庭で育った一人娘で、大事に育てられた箱入り娘。短大を卒業して、銀行へ就職が決まったものの、出勤初日に目にした建設現場の求人を目にして、いままで憧れていた世界に思わず飛び込んでしまう・・・

 土木建築の現場の世界が少女漫画の舞台になるとは。

とはいえ、電車なんかでたまに作業着を着た女性が乗り込んでくると、純粋にカッコいいなぁ、と思ってしまう。一昔前だと、建設現場ではなくても、3Kと呼ばれるような職場に女性がいるだけでいじめや揶揄の対象になっていたが、今はもうそんな時代ではない。人手不足もあるが、男女関係なく仕事ができるやつはできるし、できないやつはできない、という認識が広がってきたのだ。

 というわけで、フェーズは変わったな、というのが私の個人的な見解だ。平等云々を声高に叫ぶよりも、いかに公平な社会にしていくか、それが重要だと思う。

 ところで平等と公平は同じではない。

 平等は、文字通り平らかで等しい事。

 これは、主にスタート地点について語られる言葉だ。男女平等、人種平等、身分の平等等々、まず最初に基本的人権として守られるべきスタート地点について語る言葉に使われる。

 一方公平とは物事が偏らないこと、つまりある程度物事が進んだ時に起きてくる偏りを無くすこと。ゴール地点に向かうプロセスに使われる。

 たとえば、左派の人たちはこの「平等」という言葉をよく使う。ジェンダーの平等、男女の平等、教育を受ける権利の平等。もちろん間違っていない。とても重要なことだし、社会が抱えてきた問題の多くはスタート地点から決まっていることが多かった。

 一方で右派は「平等」が大嫌い。そもそも権威主義なので、最初から平等であっては困るわけで、政治家の皆さんが政治家の2世、3世であるのを見れば分かるように、初めから平等という概念がないのだ。

 その一方で、左派の皆さんは「公平」ということに関しては言葉を濁す人が多い。たとえば「あの人の考え方には賛同できないんだよ。だってほら、頭悪いでしょ?丸山眞男を読んでないっていうじゃない。そういう人と一緒にされたくないなぁ。」とか、「我々が目指しているのは世界同時革命なわけで、彼らが言ってるような公平な社会っていうのは、それが成し遂げられない限り実現しないよ。」とか、「トランプ支持している人とか、ワクチン反対とか、そういうキ〇〇イと一緒に選挙協力するくらいなら、一生野党でいい」みたいな声が山のようにあふれ出てくる。果ては身内同士で喧嘩とか罵り合いが始まるわけだが、それもこれも左派がスタート地点しか見てないだけで、ゴールが存在しないからだ。

 それに比べると右派(権威主義者)たちはただ1点、「利権を守り、私腹を肥やす」というゴールに向かってひたすらに邁進する。仲間内でもめるのは利権を引き継ぐ時だけで、それ以外では困った仲間がいれば、惜しみなく脱法行為を伝授したりする。たとえば記憶に新しい自民党の前参議院議員広瀬めぐみ氏は、公設第二秘書として届け出ていた女性に勤務実態が無いにもかかわらず、国から給与をだまし取った疑いがあるとして在宅起訴された。彼女は議員生活まだ1年や2年。そんな不正行為を単独で思いつくはずもなく、この方法を伝授した先輩議員がいるとみられている。優しい人がいるものだ。こういった自分たちの利権を守るために一致団結して公平さを保つ、ここに右派の強さがあるに違いない。

 しかし、この公平性は一部の利権を持つ人や特権的な立場にいる人たちに限ったもので、市井の我々には全く関係ない。むしろ逆、である。

 というわけで、市井の人としては、もはや左派だろうが右派だろうが関係ない。問題は人権が守られるかどうか、ただ1点に尽きる。

 今、世界が奇妙な傾きを見せているのは、全て人権を重視しないことが原因だと思っている。

 例えば環境問題。

 CO2が、メタンガスが、化石燃料が、と色々問題点を挙げているが、これらの問題を生み出しているのは人間だから、人間の権利をはく奪しましょう、という短絡的な意見がいたる所で見受けられる。果たしてそれは本当なのか?!

 いわゆるグローバル企業と呼ばれる大資本家たちは、世界中に大きな工場や、生産拠点を持っている。そこで働く人たちの賃金や、労務環境は適切なのか?以前にも書いたがバングラディッシュではファストファッションの服を縫うのにとんでもない安い賃金で劣悪な環境で働いている人達がいる。

https://grungehouserecords.com/archives/19037

 我々が毎日嬉々として使っているスマホ。これに使われているレアメタルは危険な児童労働によって支えられている。某ネット通販の職員は広大な倉庫の中で病気で倒れても、会社の規定により救急車を呼んでもらえずに亡くなる人がいる。その会社の配達員は一日12時間配達しても仕事が終わらない。農業においても、日本では外国人技能実習生という名目の安い労働力を使って、農作物を出荷している。たとえばレタス。レタスはいつもきれいに泥が落とされた状態でパッケージされて100円前後で売られているが、この野菜を水で洗うという過酷な労働をしているのは外国人が多い。

 これらの人々が真剣に人権を守られ、法に則って賃金が支払われ、企業が労働環境を整えるようになれば、グローバル企業は潰れるだろう。そして環境問題も少しずつ改善されるだろう。食料の不足、経済の停滞が起きる代わりに。

 ☆☆☆

 2024年9月27日に自民党の総裁選が終わると衆議院が解散され、総選挙になるとのこと。

 様々な争点があると思うが、自分の選挙区の立候補者がどういう主張をしているのか、じっくり見極めたい。大企業の下僕となって労働者の権利をはく奪する政策を目指すのか。あるいは人権を第一に考えた政策を行うのか。

 ちなみに、自民党の憲法改正案には人権の部分がごっそり無くなっている。それに異議を申し立てる心ある自民党の議員も多数いるとのこと。そこはしっかり見極めたい。

https://news.yahoo.co.jp/feature/386

 一方で憲法九条に自衛隊を明記する、と豪語している人(小泉進次郎氏)がいるが、戦争は究極の人権侵害。自分は死にたくないけれど、人は殺していいという矛盾。これを「自衛のため」というオブラートに包んで、あるいは同盟国が攻撃されたら日本も攻撃されたとみなす、とかいろいろ装飾をほどこして戦争に引きずり込もうとする大国がある。

Gaza one year on

「どうしてあなたたちの子どもは死なせたくないのに、わたしたちを毎日殺すのですか?」とガザの子どもたちが問いかけている。それに対してあなたは明確な答えを持っているだろうか?

 答えが無いなら、戦争放棄、武力不保持という最高にシンプルでクールな九条を保つべきだと思う。

文:kikiko

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